2010年3月28日日曜日

森博嗣『大学の話をしましょうか』

第一章
最後のところが、大学生である自分にとっては意味のある書物になったと思う。
大学院に行くことは決めているが、どうして行かなければいけないか説明できなかったが、背中を押してもらえた気がする。

第二章
大学という物の機能や役割について、なかなか辛辣に語られている。お役所的な仕事が多くてしかも意味不明だとか。大学の抱える矛盾についてよく見ているんだなと思った。さすが研究者といったところだろうか。

第三省
少々自分にとって衝撃的な発言があったので引用しておく。
≪ミステリィにしたのは、やはりミステリィが小説の中では最もコード的というか、書きやすいジャンルだったからですね。小説の中では最も単純だと思いますし、作るのが簡単です。≫

作者自身が大学に依存せず、ある程度距離を置いているせいか、かなり客観的で大学に対する反対意見もかなり多かった。それでも、好きなことを研究できる大学という環境に感謝している姿勢は素晴らしいと思いました。あと、大学教授という得体のしれない人種がどんな仕事をして、どういった状況に置かれているかということも知ることができて、面白いと思いました。自分が抗議で見ていたさえない教授たちも面倒な事務的仕事に追われてあくせく働いているんだろうと想像すると、多少は見直さざるをえない。

他に何か読んでいるわけではないですが、一般論とは違う大学論です。普通とは異なる視点からの物言いなので、著者自身の意見に賛同できないような人でも読んで損はないと思います。大学生ならばなおさら考えさせられる内容なので僕としてはとてもお勧めです。もちろん作者のファンの人ならば、どういった考えを持っているのかを知るのに参考になる本だと思います。

思い出したので追記。
最後の方に同窓会誌のインタヴューに答えてというコラム的なところがあるんですが、ここで著者は名前の大切さについて言及しています。これは、著書の幻惑の死と使途でも扱われていることから、著者にとって重要な考えなのだと思いました。

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