2011年5月21日土曜日

デフレの正体

タイトル:デフレの正体―経済は「人口の波」で動く

著者:藻谷浩介

著者について:日本政策投資銀行参事役。

この本と出合ったきっかけ:
書店の平積みで帯に、池上彰(伝える力、学べるニュース)、山田真哉(さおだけやはなぜ潰れないのか)の称賛コメントが書いてあって、この二人とも著書が気に入っている。為替に興味があって(要はFXがやってみたい)デフレという言葉に吸引された。


内容について:
GDPとは健康診断に例えると「総合体調指数」である。これだけを見ても、血圧がいくらで、体脂肪率、血糖値、尿酸値、肝機能はわからない。

絶対額ではなく対前年同期比と総合指数だけを比べるようなことをしてもしょうがない。客観的で議論の余地のない絶対数、すなわち輸出額、輸入額、貿易収支の額を冷静に眺め、そこから構造を把握するようにする。(さおだけ屋を思い出した。)

対中国赤字は対香港黒字に比べてはるかに少ない。2008年の対中国黒字は2.7兆円。

GDPの合計は中国が日本を抜くが、中国は人口が10倍であることを忘れてはならない。

シンガポールは人口は中国の0.3%だが対シンガポール黒字は二兆円を超える。中国がシンガポールほど発展した際には、日本経済は史上最高の繁栄を迎えることになると考えられる。

世界で韓国車が売れないのは沖縄以外の日本だけ

中国、韓国、台湾は日本のブランドを買っている。

対日本黒字を出している国はフランス、イタリア、スイスでこれらの国は日本にブランドを売っている。

これらのことから日本はブランド力を高めるべきという結論に至る。

中韓台印がスイス、イタリア、フランスに行く前に日本ブランドを確固たるものにすべき。特に同じアジア人として生かせる分野。化粧品、食品、装飾、服飾など。

国内の酒類販売量が、95年あたりがピークで02年度から落ち込んでいる。水や食品も。車の販売量や雑誌の販売数も同じように連動している。これらはすべて同じ構造的な問題によって減少に転じた。

米国流のファイナンスでは「事実は何か」よりも[皆がどう思っているか]が重要となってしまう。報道がそういった情報に傾いてしまうのは仕方がない。報道のそういう避けられない欠陥を踏まえたうえで、自分で絶対数を確認し、しっかりと長期トレンドを把握する癖をつけるべき。

数字を読まない(SY)、現場を見ない(GM)、空気しか読まない(KY)ではダメ。

23区の売り上げを売場面積で割ると、1㎡あたり169万円。青森では75万円。しかし、土地代を比べると、23区の方がはるかに高い。(169/75を遥かに超える。)

「生産年齢人口の減少」と「高齢者激増」の同時進行を「少子高齢化」という言葉で表現している。この言葉は「子供が増えれば高齢化は防げる」という誤解のもと。

2000年から2005年までに増えた367万人の高齢者のうち118万人が首都圏一都3県に住んでいる。

いざなぎ景気も人口増がもたらした。

横山禎徳「成長創出革命」

90年代半ばは就職氷河期と呼ばれているが、団塊ジュニアが一気に就職し、就業者の総数が一気に増えた。

就業者数と反対の動きをするのは失業者数ではなく、非労働力人口。

「昔ほど車は買わない、そもそも以前ほどものを買わない、最近あまり本や雑誌を読まない、モノを送らなくなったし車にも載ってない、近ごろあまり肉や脂を食べないし、酒量も減った、水も昔ほど使ってない」これはまさに、退職後の高齢者世帯も消費行動そのもの。

高齢者にモノやサービスを買わせるということを戦略的に追及する。

この記事なんとなく著作権法違反の気があるけど、事実の羅列だからいいよね。たぶん。

非常に明快な理由によって説明されていて、少し怪しい気もした。でも、著者の人が言っていることは大体あってると思う。

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デフレの正体 経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)

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