2011年4月24日日曜日

WikiLeaks アサンジの戦争

タイトル:WikiLeaks アサンジの戦争

著者:
ガーディアン特命取材チーム デヴィッド・リー&ルーク・ハーディング

著者について:
イギリスで最も権威ある新聞の一つ(知らなかった)。帯にはかなり評価は良いらしいと書いてある。ウィキリークスが有名になる前から密着した取材を行っており、本書に登場sるジャーナリストの多くは本新聞の記者。著者も時々登場。記憶が正しければ、ルークさんの方は最後の方にちょっと出てきただけ。

この本と出合ったきっかけ:
なにはともあれ、現代を象徴する事件を起こした張本人である、ジュリアン・アサンジについて、ウィキリークスについて知りたかった。スティーブジョブスやクレイグベンターの本を読むような気分で読み始めた。ジュリアン・アサンジはどんなにスマートで、いかれていてカッコいいか見たいな話を期待していた。(あくまで読み物としては)
本の入手元は図書館の新刊の棚に並んでいたのをとっただけ。表紙の銀髪イケメンが、印象的だった。

目次:
1 秘密の扉
2 技術兵の「正義」
3 ジュリアン・アサンジ
4 ウィキリークスの誕生
5 「アパッチ」のビデオ
6 ラモとの対話
7 取引
8 作戦会議室ウォールーム
9 アフガニスタン戦争報告書
10 イラク戦争報告書
11 公電
12 世界一有名な男
13 パートナーの不安
14 嵐の前に
15 公開日
16 史上最大の機密漏洩
17 ウォンズワース獄舎のバラッド
18 ウィキリークスの行方
エピローグ

内容について:
アンダーグラウンドの題辞にアサンジはオスカー・ワイルドの一文を選んでいる。「素顔で語れば、人はもっとも本音から遠ざかる。仮面を与えれば、真実を語るだろう。」

自身のブログIQ.orgに語る、「大量に情報が漏洩すれば、システムをよりオープンな支配形式に変えようとする人々はそのシステムを攻撃しやすくなる。暴かれた府政だけが答えを持つ。我々が賢明な行動をとるためには、実際に何が起こっているのかを知らなければならないのだ。」

スウェーデンにはメディアや調査報道を行う記者を保護する強力な法律がある。

マニングのとった方法(データをばれないように運んだやり方)は正攻法。軍のシステムファイルをAFS-256で暗号化し、SFTPでインターネットアドレスに転送、自身で設定した暗証番号を別途「トーア」を介して送る。(よくわかんない)

ドミートリー・メドヴェージェフは、バットマン役のプーチンに対して、相変わらずロビン役を演じている。

外交公電の漏洩の時のガーディアン記事のタイトルは、「米大使館外交公電の漏えいが世界規模の外交危機に火をつける」

アノニマスの主張「我々は、情報の自由な移動を指示する。アノニマスは、あらゆる形でいたるところで、この目標に向けて精力的に活動を進めていく。これにより、インターネット、ジャーナリズムとジャーナリスト、世界の人びとの表現の自由は達成される。我々の行動に賛成しかねる人びとがいることは承知しているが、アノニマスは一般市民の声が沈黙することのないように、市民のために戦っている。」

クリプトーム主宰ジョン・ヤング「年長者に辟易しているネット時代の若者にとってジュリアンは素晴らしいショーマンだ」

サイバーアナリストであるスタンフォード大学のエフゲニー・モロゾフはニューヨークタイムズにウィキリークスは素晴らしい可能性を秘めているという趣旨の寄稿をした。ウィキリークスは広く認識されたブランドであることとメディアとの幅広いつながりという2点で、他の追随する模倣者たちよりも有利だとしている。

無名のハッカーが世界中でもっとも話題の人物に変身した。罵倒され、称賛を浴びて一斉を風靡、その直後に逮捕、保釈、そして次は?本書はその推移を語るものだ。


機密公電の一部は講談社のホームページに掲載されている。

ブラッドリーマニングはウィキペディアでも有名人扱いみたい。結局一番今回の事件で何かをやらかしたとすれば、現在23歳の彼であり、今現在も裁判はまだ始まってないと思われる。(Wikiに書いてないからといってそう判断するのも良くないけど。)

第7章の取引までの話は、物語としてかなりアツい。スパイ映画みたいなドキドキ感がある。アサンジを無理にカッコいい役にひきたてて映画作ったらおもしろい気がする。(レクター博士みたいなキャラ希望)
その辺まではジュリアンはカッコいいんだが、性犯罪容疑で逮捕されるまでの話あたりは、あんましカッコ良くない。

本全体としては、物語として読んでも面白いし、ただの事実の羅列ではなくて、実際に取材した記者が臨場感たっぷりに書いてくれているのでわくわくする感じがある。


にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ人気ブログランキングへ


ウィキリークス WikiLeaks  アサンジの戦争

2011年4月19日火曜日

20歳の時に知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義

タイトル:20歳の時に知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義

著者:
ティナ・シーリグ(Tina Seelig)

著者について:
スタンフォード大学アントレプレナーセンターエグゼティブディレクター。神経科学博士。
この本と出合ったきっかけ:
書店の平積みで並んでいて気になっていた。図書館で借りて読む。

目次:
第1章 スタンフォードの学生売ります
自分の殻を破ろう
第2章 常識破りのサーカス
みんなの悩みをチャンスに変えろ
第3章 ビキニを着るか、さもなくば死か
ルールは破られるためにある
第4章 財布を取り出してください
機が熟すことなどない
第5章 シリコンバレーの強さの秘密
早く、何度も失敗せよ
第6章 絶対いやだ!工学なんて女がするもんだ
無用なキャリア・アドバイス
第7章 レモネードがヘリコプターに化ける
幸運は自分で呼び込むもの
第8章 矢の周りに的を描く
自己流から抜け出そう
第9章 これ、試験に出ますか
及第点ではなく最高を目指せ
第10章 実験的な作品
新しい目で世界を見つめてみよう
感謝の言葉

解説「異質なこと」をする能力

内容について:
今手元に5ドルあります。それを2時間でできるだけ増やすにはどうすればよいか。
一番増やしたチームは、5ドルにとらわれずに行動したチーム。ルールにとらわれないこと。

T字型人材の育成:少なくとも一つの専門分野で深い知識を持つと同時に、イノベーションと企業家精神に関する幅広い知識を持っていて、異分野の人たちとも積極的に連携して、アイデアを実現できる人たち。

ガーデン・ロスコフのCEOデビット・ロスコフは、リーダー像について、頂点に上り詰める人は、そうでない人たちよりも精力的に働く。前に進もうとする推進力が大きい。目標を達成しようという意欲が強い。「並はずれた業績を達成した人々の最大の味方は、ほかの人たちの怠慢である。」

所感:
内容についてのところに書いてあるように、結構インパクトのある演習を行っていることが、有名になった一つの要因と思われる。

筆者が最も言いたいこととは、自分が感じた限りでは枠にとらわれずに、空気なんか読まずに行動すべし!と言ったところ。スタンフォードの学生がこれを聞いて自分を見直すようならば、空気を読むことばかり気にして(そのくせあまり読めてない)自分のような学生にはハードルが高すぎる気もする。

簡単に日本の教育が悪いと言う人もいそうだが(引用もとなし、なんかの本で読んだような気がするだけ)、誰かのせいにしたところで、何かが変わるわけではないというのも常套句だから、自分を変えていくしかないのだろう。

藁しべ長者みたいな話も載ってた。読んでて面白いと思う。

にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ人気ブログランキングへ

Amazonリンク
20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義
Amazonで検索したら、シーリングの方が、シーリグより上に出てきてみんな間違えるんだなと思った。

2011年4月17日日曜日

グーグル時代の情報整理術

タイトル:グーグル時代の情報整理術

著者:ダグラス・C・メリル&ジェイムズ・A・マーティン

著者について:失読症、心理学博士、グーグルの偉い人だった、恋人を病気で亡くした経験あり

この本と出合ったきっかけ:Lunascapeを使っていたら、お勧めブログに小飼弾の404NOTFOUND があった。これをきっかけに小飼弾という人を知り、それから新書がベストという本を読む。その本の中でハヤカワ新書juiceが外れなしということを知り、なぜこの店で買ってしまうのかが、1500円でこの知識を手にできて本当に良いのか?という小飼弾のべた褒めによって読むことを決めた。そして、予想をはるかに上回る自分的クリーンヒットだったため、同シリーズの他の本も読んでみようと思い、図書館にて手に取ったのがこの本。

目次:
まえがき

パート1 自分を客観的に見つめなおす
第1章 自らの脳を探る旅―カクテル・パーティとキャプテン・クランチ
第2章 どうしようもなく間違った現代社会の仕組みと向き合う
    ―夏休み、郊外生活、工場の勤務時間
第3章 自らの制約と向き合う
    ―レースカー、バスケットボール・パンツ、オペラ
第4章 目的を明確にすることが重要
    ―目の前の山に登るか、リクライニング椅子でゆっくりするか

パート2 新時代の整理術を身につける
第5章 テイラー・システムとトラッパー・キーパーに別れを告げて
第6章 検索技術をマスターする―フランスのパリか、ラスベガスのパリスか
第7章 情報を目立たせるには―カラー・マーカーとフィルタ
第8章 紙とデジタルの使い分け
    ―システム手帳かデジタル・デバイスか
第9章 電子メールを検索可能な“自分履歴”に変える方法
    ―使い道は送受信だけじゃない
第10章 カレンダーをクラウドに保存すべき理由―共有がミソ
第11章 文書とウェブ・コンテンツの整理
     ―ブラウザー、オペレーティング・システム、クールなステッカー

パート3 大小様々な困難に打ち勝つ
第12章 注意の散漫をなくし、仕事に集中する方法―脳の負担を抑える
第13章 仕事とプライベートを融合させる方法―浜辺でメールをチェック
第14章 想定外の出来事に対処する
第15章 まとめ
エピローグ 考えるな、滑れ!
筆者お勧めツール
訳者あとがき

内容について:
本書に載っている整理術の原則まとめ
①脳の負担がなるべく少なくなるように、生活を組み立てよう
②なるべく早く、頭の中から情報を追い出そう
③“ながら作業”は一般的に効率を低下させる
④物語を使って覚えよう
⑤いつもそうしているからといって、そうしなければならないわけではない
⑥知識は力ならず。知識の共有こそ力なり
⑦思い込みの制約でなく、現実的な制約を潜り抜けるすべを身につけよう
⑧自分を決め付けるのではなく、自分自身に心から正直になろう
⑨制約を無視すべきケースを知ろう
⑩エンジンをかける前に、どこへ向かっているのか、どうやって向うのかを明確にしよう
⑪目標の達成に幅を持たせよう
⑫情報を整理するのではなく、検索しよう
⑬本当に記憶の必要なものごとだけを記憶しよう
⑭大きなかたまりを、小さなかたまりに分けよう
⑮週一回、重要な情報を見なおす時間を設けよう
⑯完璧な整理術などない
⑰後で検索しやすいように、デジタル情報には関連キーワードを追加しよう
⑱文脈の変化を見越して、メモをとっておこう
⑲文脈の似た仕事をまとめて行おう
⑳仕事とプライベートのバランスをとるのではなく、融合させよう


③のながら作業がよくないというのは、身にしみた。というかながら作業は結構好き。

目的を持つことが大切というのは、よくわかっているつもりだけど、なかなか難しい。

GmailやGoogleカレンダーの使い方については、かなり参考になった。Googleカレンダーは使ったこと無かったけどこの本読んで、使ってみたらかなり便利だった。

最後の方に整理術の原則の就活にあてはめた解説もよかった。

にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ人気ブログランキングへ

Amazonリンク
グーグル時代の情報整理術 (ハヤカワ新書juice)