2010年5月8日土曜日

銃・病原菌・鉄(上)(下) ジャレド・ダイアモンド

「あなたがた白人は、たくさんのものを発達させてニューギニアに持ち込んだが、私たちニューギニア人には自分たちのものといえるものがほとんどない。それはなぜか?」
著者はニューギニアの青年であるヤリにこう聞かれ、当時答えられなかったという。その答えは一体何だろうか。そしてこの答えを探るというのが本書の目的です。

本書を通して感じたのは、自分は歴史学という物を誤解していたということです。人類史というのは、研究室では実験できないし、野外で再現することもできず、事実から推測するという方法でしか研究できない。そういった観点から、理系、とりわけ物理や化学をやっている研究者から蔑視される傾向にあると、本書でも言及されていますが、まさに、本書を読む前の自分がそうでした。読書ブログなんぞやっていて、いまさら生粋の理系とは言いませんが、基本的に文系学問は苦手だったし、学校で学んだ歴史なんて退屈以外の何物にも感じていませんでした。

プロローグにおいて著者は本書での主張をコンパクトにまとめています。
「歴史は、異なる人びとによって異なる経路をたどったが、それは、人びとのおかれた環境の差異によるものであって、人々の生物学的な差異によるものではない。」

本書を読んで、この感想を書く際に、この主張をもう一回読んで、なんだか胸が熱くなってきました。人によっては、何を当たり前のことを言っているんだ、と思う人も多いと思いますが、この点に関しては多くの人びとが、今現在の発展は人種の違いによるものだと考えてしまっています。著者は、それは間違いであり、すべての原因はたまたまそこに住んでいた人を囲む周りの環境が、のちの発展の決定的要因であると言っています。例えば、農業の発展は植物が育つ環境がなければ成り立たないし、家畜動物もはじめに飼育されるのは、野生種が存在している場所です。

さらに、南北アメリカやアフリカよりも、ユーラシア大陸が、より早い時期に発展した理由が、その大陸が縦長か、横長かが関係しているというのです。はじめは、え?と思いましたが、東西に横長のユーラシアの場合、日長時間や気候の関係が、同じ緯度だと近いため、農作物の技術が応用なしで伝わりやすかった。それによって、ユーラシアの方がより早く技術が伝搬し、それがより早い発展にもつながったと結論付けられています。

他にも、エジプト人は白人というカテゴリだったこととか、一時期(江戸時代より前)日本人は最先端の銃を保持するまでに、至っていたというところで、ちっぽけな愛国心がくすぐられたとか、人による虐殺よりも病原菌による人口の減少の方が大きく影響していたこととか、ライオンバーガーが実はうまいこととか、いろいろ書きたかったけど、くどいし長くなったので省略。(余り省略になってない。


これらの説を読んでいて、歴史学ってまさに科学そのものじゃないか、と感じそれを軸にこの記事を書こうと思いながら読んでいたところ、最後のエピローグで、“科学としての人類史”という副題が付いていて、そこで、著者は人種主義の誤解を解くという目的だけでなく、歴史学という学問のイメージの誤解までも解いてくれました。

歴史についての本なんてそんなに読んだこともなかったし、ついでにいうと多かれ少なかれ偏見を持っていた自分にとってこの本は、読んでいて面白いだけでなく、人類について知らないことをたくさん教えてくれました。とても厚いし、読むのも時間がかかるけど超お勧めです。

ちなみに、本書を知ったきっかけは、“朝日新聞のゼロ年代の50冊 2000年~2009年に刊行された全ての本の第1位のに選定された名著。”という形でです。この記事が載っている日にたまたま新聞読んでいてよかったと思います。

2010年5月6日木曜日

柳井正『成功は一日で捨て去れ』

今最も勢いのある会社の一つであるユニクロ、その社長である柳井正が書いたユニクロを成功に導くために、奮闘していた日々をつづった本です。社長が選ぶすごい社長に選ばれたというすごい人です。最近朝日新聞のBeに連載も始まりました。

柳井社長がすごいと思ったところは、ユニクロがどんなに大きくなって成功していてもそれに満足してしまっては、すぐにダメになってしまう、いつまでたってもベンチャー企業のような挑戦心を持って、全力で企業を良くしていく、そういう考えを持っているというところです。それは会社の経営においてだけでなく、人生においても同じだという言葉はなんだか胸にしみてきました。

ともかく、今を堂々と立派に生きている素晴らしい企業人の書いた本は、すべてを信じろとは言いませんが、その人がどんな考えを持って、どんな目標を立てて、どういう気持ちで挑戦していくのか、そういったものがたくさん詰まっています。これを読んだら、なんだかいろんなことに挑戦して、立派な人間になるぞ、というやる気も沸いてきました。

多くの人にとって、特にこれから何かに挑戦したい人や柳井社長にあやかりたい人にとって大いに役に立つ内容だと思います。

ついでに、この本の途中でUNIQLOCKの紹介があって、初めてこれ知ったんですが、なんだかずっと見続けてしまって、本読むの30分ぐらい中断してしまいました。物凄い中毒性を感じました。

2010年5月2日日曜日

西尾維新『化物語(下)』

化物語の下巻です。
内容は前半がなでこスネイク、後半がつばさキャットです。
とりあえず、別々に感想書きます。

なでこスネイク
撫子のキャラクターは恥ずかしがり屋ですが、ホントに西尾維新は極端な人格を表現するのがうまいですね。もう作者自身の性格が反映されているんじゃないかと思うくらい、リアルに感じるところがあります。
この原作ではアニメとは異なる終わり方をしているわけですが、これについては少し戯言シリーズを思い出すような残酷さに近いものを感じました。

つばさキャット
こちらは、どんな結末になるかを知らなかったので、先を気にしながら読めました。でも僕は傷物語も偽物語も既読だったので、ある程度伏せられている春休みについての、暦と翼の関係や、忍との関係について知ってしまっていたので、順番通り読んでいる人とは、違った視点で読むことになりました。僕としては、おすすめは順番どおりですね。やっぱり、多少先が読めてしまうので。そして、もう一回傷物語読んでから今作(特につばさキャットの方)を読むと、とてもよい感じに化物語世界にはまれるんじゃないかと思います。

会話が面白いのは言うまでもなく何が凄いかって、ここまで下ネタをふんだんに散りばめた作品が、平然と平積みで売られているということですw

2010年5月1日土曜日

ツイッターについて続編

4月26日から4月30日までに行った実験の結果報告です。

結果から言うと、だいぶ満足のいく結果だったかなと思います。

前回の記事はこちら

日に3度自己紹介+フォローミーのハッシュタグをつけたツイートを、自動で流したわけですが、自分の予想では、フォロワーが300人を超えて、ブログのアクセスはそんなに増えないという予想をしたんですが、

びっくり!!

フォロワーさんは350人超えてました。ありがとうございます!!
フォロワーさんがどんどん増えるのが嬉しくて、逐一携帯でチェックしていたので、事あるごとに携帯見てましたw

そしてブログへのアクセス数ですが、ページビューで、先週が127に対して今週は228と100近く上昇し、ツイッターからのアクセス数も、無いに等しい状態から、それなりに増えました。

ということで、集客効果はかなりあったという結果となりました。個人的に大満足でした。

ついでに、前回の記事でグラフ作るとか言ってましたが、ちょっと恥ずかしくなってきたので自重します。めんどくさいというのもある。

まぁ、ブログの性質的にあまり人が多く来るのもあれだし、正直宣伝はうっとおしいと思うので、もうこういう形ではやらないですが、それなりに効果ありますよ。という結果報告にこの記事を終わります。

伊坂幸太郎『オーデュボンの祈り』

≪あらすじ≫
警察から逃げる途中で気を失った伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。江戸以来鎖国を続けているその孤島では、喋るカカシが島の預言者として崇められていた。翌日、カカシが死体となって発見される。未来を見通せるはずのカカシは、なぜ自分の死を阻止できなかったのか?ミステリーの新時代を告げる前代未聞の怪作。第五回新潮ミステリー倶楽部賞受賞作。


伊坂幸太郎のデビュー作です。
あらすじ読んで、え?と誰もが感じると思うんですが、発想がホントすごいです。
どうしてこんなこと考えついたって思うほど、奇抜な設定だし、しかもリアリティに説得力があると感じました。案山子は確かにそこにいるし、荻島が、実際に存在していそうな気もしました。

中でも、案山子の優午のキャラクターが、すごくかっこよかったので、案山子の絵を描いてみました。きっと表紙の案山子のように、ベラルク先生は白いシャツでも持っていたんだと思いますが、あえて医者ということで、白衣っぽいものを着せてみました。

アマゾン見て驚いたんですが、中古本が2万円超えてます。絶版だからでしょうか。図書館で借りたのが手元にあって、多少よこしまな気持ちがくすぐられました。